【中興初代 松本石太郎(1885~1963)】
明治45年、塗師工房、小式海家より名工の誉れにて松本屋文作の養子となり、
元禄の頃より続きしも、数代絶えし松本屋中興す。 海を越え、北海道、樺太へ雄飛。 中興としてその礎を築く。
【二代 松本昌平(1918~2000)号 石昌斎】
初代石太郎の三男として生まれ、旧制第四高等学校から大阪大学応用科学科卒業。
戦後復員後、輪島にて父、石太郎と共に塗師屋の道を歩む。昭和38年、輪島漆器商工業協同組合理事長に就任。
家業としてのみならず地場産業としての産地輪島に力をそそぐ。
<略歴>
1995年 紺綬褒章受章
1996年 地域文化功労者文部大臣表彰
1998年 勲六等旭日章を受章
輪島漆器商工業協同組合名誉顧問
重要無形文化財「輪島塗」技術保存会会長
(財)輪島漆芸美術館友の会長
【三代 松本昌夫 号 遊人】
遊なるは天の許しにて無我なる自分。
海山に遊ぶ、いにしえに、新しきに遊ぶ。
作り手が遊ぶ、使い手が遊ぶ
そして素材が遊ぶ、器が遊ぶ。
皆が私をうるし遊びに誘います。
子供の頃の思い出、海や山、カンけりや陣取りビー玉。
ふと気が付くとあたりは真っ暗。母の呼ぶ声にハッと我に返る。
すべてが夢中。今思えば、それが遊び。
そう思えば「遊ぶ」はなかなかに難しい。‥‥と考え込む様ではまあいいか。
暗くなるにはまだまだ時間もありそうだ。
遊びをせむとや生まれけむ 戯ぶれせむとや生まれけむ
遊ぶ子供の声きけば 我が身さえこそ動がるれ(梁塵秘抄より)
<略歴>
1953年 輪島市生まれ 本名 松本 昌夫
1980年 石川県クラフト展及びデザイン展出品以後出品
1982年 国際交流工芸デザイン展招待出品
1983年 石川のクラフト「日本の色と形」展出品(デンマーク)
1983年 石川デザイン展 石川県知事賞受賞「キューブ」
1984年 日本クラフト展入選「キューブ 黒&朱」以後入選を重ねる
1985年 国際デザインフェアー85金沢入選「Enjoy with you 」
1986年 高岡クラフトコンペ86 奨励賞受賞「大きな樋糸目の器」
1987年 石川県デザインセンター選定品 優秀賞「くつわ組盆」
1989年 ジャパンデザインコンペ審査員特別賞「味遊BOX黒&銀」
1992年 石川デザイン展 石川県知事賞受賞「料理箱 黒・朱」
1994年 通産大臣 伝統工芸奨励賞 受賞
1997年 ニューヨークTsuji ギャラリーにて二人展
1998年 東京ギャラリーHIROOにて個展
1999年 名古屋 栄 丸栄にて個展
2000年 倉敷・三越展「うるしに遊ぶ」
2003年 輪島工房ギャラリー「遊庵」を開く
2005年 石川の工芸100選認定 「四季の小重」
2007年 利酒師 認定
2008年 酒器蔵 黄昏 「遊庵」 開設
(社)日本クラフト・デザイン協会(JCDA)会員
輪島漆器商工業協同組合 監事
輪島漆芸美術館友の会 理事
酒匠研究会連合認定 利酒師