英語で陶器はチャイナ、漆器をジャパンと呼ぶのは皆様ご存知のとおりです。
文字どおり漆器は日本そのものであり、日本人の魂と言えるものなのです。
うるし、うるわし。うるしはそのうるおう実感から名づけられました。
漆のうるわしき肌合いと艶。今、どれだけの日本人が「麗しい」を感じられるのでしょう。この古くて新しい素材うるしは日本人が日本人でなくなりつつあると同時にその暮らしのシーンから姿を消しつつあります。
知恵として、美として、そして文化として、もっとうるしを知り、そして使って頂きたい。
それが工房の願いです。
「うるしは、工房で完成するのではありません 使い手がその人生で仕上げるのです」
北前の海、日本海に開けし湊、倭の島「輪島」に大いなる塗師蔵 松屋在り。元禄の頃より、初めて他藩への道を拓く。 天保年間、加賀藩より初代年行事職を賜りその隆盛を誇り、以後 松屋、松木屋、若松屋、松本屋の四家にて塗師を技となす。(輪島市史より)
現在輪島にて唯一その流れを残す工房として老舗の評価を頂いております。輪島へお越しの折には、是非一度お立ち寄り頂き漆の里の歴史や風情そして、観光施設ではない塗師の世界をご覧下さい。
ギャラリー遊庵(輪島塗)
〒928-0001 石川県輪島市河井町2-128
蒔絵や沈金など漆装飾技術は、日本の工芸史においては、 多様な素材や品への装飾、また技術や色々な表現が見られ、各分野からもあらためてその漆装飾が再評価され、自社製品に対する付加価値装飾としても関心が寄せられています。輪島は高級漆器の産地としてまた日本各地の漆器産地の中でも唯一重要文化財の指定を受けています。
それは、堅牢な下地工程による漆器産地の塗り技術ということが重視されていますが、全国でも希少となる、漆に関する専門職人の卓越した技術の集積が認められたのです