蒔絵や沈金などの技術は、世界の工芸の中でも、もっとも複雑で巧妙に組み立てられた工程によりつくりだされていると、専門家からも分析されている。

そのわざから生まれる独特な表現は日本的で魅力的と、世界のブランドからも注目され、憧れの装飾技術だそうです。

ここでは、普段見てもらえる機会も少ない漆芸の現場の画像をご覧頂きます。

なお、このページは制作の現場からの新しい写真が逐次掲載されます。

              (2017年 1月21日 写真3枚追加)

 


蒔絵ほど複雑な工程を必要とする工芸は世界でも唯一といわれる



蒔絵は漆で描いた線描に純金を蒔き込みます 更に螺鈿を仕込むなどいたるところに工夫のあとが

 


漆で描かれた模様に、金粉が葦で作られた粉筒で蒔かかれます。


蒔絵金粉は漆に固められて、その模様の研出しには、刀剣の研ぎにも使われる研炭を使います


道具も独特(輪島の沈金鑿刃の数々)


鋭利な沈金鑿がシャープな彫面を作り出す

 

レーザーやサンドブラストでは生まれない繊細な手わざ表現や独自の技術は、 経済産業省の地域資源活用事業に認定され、装飾表現としても注目のわざ


複雑な工程の手わざの現場の1シーン (金粉を蒔く筒は薄手の葦で手づくり)





繊細な羽根の模様の背景は蒔絵技術による金と螺鈿による銀河模様

※ 右下の「漆 wajima japan」 純金の文字は卓越した漆芸の わざの証

 

 

新たな装飾はデザインだけではなく、蒔絵1000年の歴史でもめずらしい特別な技法や貴重な材料を使っています。



日本画の顔料 岩絵の具群青珊瑚までも使われ、更に新たな表現が生み出されようとしている( 漆器ではないと従来使えなかった材料も使用できる)


蒔絵に使う青貝のきれいなところを選び出し切り出しているところ


螺鈿に使う白蝶貝や色合いのあでやかな青貝、金や銀の輝き


<漆装飾のステージ>

漆は色々な工芸の中でも工程が複雑で、それぞれに専門職がうまれるほどに熟練度が求められ、それを取りまとめるのが塗師屋の仕事です。

分業化されそれゆえの魅力もあります。専門職ごとに切磋琢磨し技術も高まり、加飾職においては表現力が磨かれたのです。だがわざは発揮できるステージを持たねば、世の中には出ません。音楽の空間ではどの様に光るのでしょう。